当院は、
卵子数が減少し、
若くして閉経状態となってしまった早発閉経/早発卵巣不全の方々に、
専門的な治療をご提供する施設として診療を開始し、
体外受精等の高度生殖医療を行って参りました。
数か月に1個、1年に1個、10年ぶりの1個、といったかたちで育ってきた、
大変貴重な卵子を、選び抜いた医療機器を用い、
卵子にストレスをかけないよう、大切に取り扱って参りました。
そこで培われた膨大な情報・医療技術を、
一般的な体外受精を必要とする方々にもご提供しています。
貴重な卵子を大切に扱うこと、
主治医制による個々の体に即した対応をすること
これらが当院の強みです。
卵巣年齢が50歳と診断された方々に対し実践し、
妊娠へと導いてきた技術をご紹介します。
精子が不良であったり、35歳以上の方の卵子は、
未授精や異常受精となる確率が高くなります。
確実に精子と卵子を受精させる強力な手法が顕微授精(ICSI)です。
従来型の顕微授精は、卵子への負担が強く、
卵子が調子を崩してしまう(変性)リスクを伴います。
当院が行っている顕微授精は、
PIEZO法というもので、
卵子への負荷を低減させた卵子に優しい手法です。
負荷に弱くなった35歳以上の卵子にとって最適な手法と言えます。
精子は回収手段により、染色体が損傷することが知られています。
当院で使用するSperm Separator は、
精子損傷を回避し、最も良好な精子を選別する手法です。
PIEZO-ICSIとの併用により、
卵子・精子にとって最も負荷の少ない受精をご提供していきます。
Spindle View 特殊視野顕微鏡は、
成熟卵子にとって損傷してはいけない紡錘体を可視化する特殊な顕微鏡です。
この技術を利用することで、卵子を傷つけることなく、
安全な場所に精子を届けることができます。
従来型の培養器は、一定時間ごとに胚を培養器から取り出し、
観察を行わなければなりません。
その際に、培養環境の乱れ、光への暴露など、
卵子・胚にとってストレスがかかっていました。
当院のTime Lapse 培養器は、
培養器から卵子・胚を取り出すことなく、
断続的に培養器内で胚を観察することができます。
それにより、上記ストレスが低減し、胚にとって好ましい環境を
常時維持することできるようになりました。
また結果をご説明する際、
お預かりしている胚がどのような発育を遂げたのか、
動画としてお示しすることができます。
受精してからの極体出現時間、胚の分裂時間、形態的変化、
これらを人工知能で解析し、妊娠率の高い胚を選び出します。
主観的な形態からの判断から、より客観的指標に基づいた判断へ。
当院は取り組みを行っています。
子宮を最適な状態にしたうえで、胚移植を行います。
当院独自のカクテル療法にて、
着床を阻害する子宮内の雑菌を排除し、
善玉菌でみたされた環境へと導きます。
子宮鏡検査にて、
着床を阻害する子宮内膜ポリープ、子宮内膜炎の有無を確認します。
またその際、着床率を上げる効果が期待される
子宮内膜スクラッチ処置も併用します。
必要があれば、
子宮内膜に優しい TruClear system を用いた子宮内膜ポリープの切除や、
内膜炎の精密検査となるCD138検査を行うこともできます。
卵巣年齢50歳の方々より得た、
数年間で1個のみといった貴重な胚を移植し続けてきた、
経験豊富な主治医が、大切な胚を確実な技術で子宮に移植いたします。
子宮内膜への接着効果を高め、着床率を上昇させる
高濃度ヒアルロン酸含有 培養液を用いて胚移植しています。
胚が着床することを補助する
Assisted Hatching も積極的に行い、着床率上昇に努めています。
子宮内膜が薄く妊娠率が低いと見積もられる方、
反復して着床がうまくいかない状態の方、
に対し行われる技術です。
本人の血液から濃縮された組織修復能力に富んだ成分であるPRPを作成し、
移植に先立って子宮内に投与します。
厚労省の諮問機関である再生医療等委員会の認定を受け、
ご提供しています。
であって、生理不順がない方が最も適応となる手法です。
内服薬で卵胞発育を調節いたします。
採卵後、新鮮胚移植を行うことも可能です。
最短かつ低コストで妊娠を目指す際に向いている手法です。
に適した手法となります。
自己注射剤で卵胞を多数育てます。
採卵後は全胚凍結を行い、別周期に改めて胚移植を検討します。
卵胞が多数得られるので、採卵当たりの妊娠率が高くなるのが特徴です。